ある女子校生たちの物語 [女子校生]

例の有害図書問題で槍玉に挙げられた山本直樹の『BLUE』。妙な形で話題になったが故に、このような劣化としか表現出来ない映像化が為されてしまったのだろうか。

 まず驚かされるのが、余りに原作に忠実であるという事だ。ストーリーに寸分の違いも無いのはもちろんの事、セリフも原作と全く同じである。美容整形また、場面の構図、セックスの体位、全てが原作そのままなのである。唯一、違うところと言えば、山本直樹の単行本『BLUE』に収録されている『BLUE』という短編と『なんだってんだ7days』という短編を同時軸で展開しているという点だ。しかし、それぞれの登場人物がストーリーとは直接関係の無いところで絡む場面こそあれ、それぞれの物語はパラレルとして乖離されている。それはまるで時間稼ぎの為に二つの物語が一つの作品に同居しているかのような違和感を感じてしまうのだ。必然性を無視した演出は悪影響しか与えないのではないだろうか。
 どう贔屓目に考えても手抜きであるこの作品は、ともすれば原作に対する冒涜として受け取られかねない。山本直樹の『BLUE』はあくまでも、漫画というメディアに載る事を前提として作られた作品である。それをそのまま映像というメディアに載せる事は、妊娠の検査薬決して創造的な行為とは言えない。『BLUE ある女子校生たちの物語』というVシネマ作品において、クリエイティビティーは皆無なのだ。

 ちなみに、この『BLUE ある女子校生たちの物語』の続編的Vシネマ作品として『ブルーシーズン 17才のビーナス』というものがあるのだが、山本直樹はこちらの作品に全く関与していない。不名誉にも“有害”の称号を与えられてしまった『BLUE』の話題性だけを抽出するような展開であるのだが、これらの作品はそれなりの回転率を記録しているようで、ユーザーの需要は作品の質には関わらないのかも知れないという非観的な予測をしてしまう。
 それにしても、この一連のVシネマ作品に対する原作者山本直樹の見解を知りたいところだ。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。